japan-asset-management-logo

BLOG

株式投資の基本戦略(後編):営業利益の伸びを活用した銘柄選択の方法
Column

皆様こんにちは。 株式会社 Japan Asset Managementです!
今回も、株式投資における銘柄選択の詳細な手法について解説します。前回はポートフォリオ運用のプロセスと銘柄の選び方、調査方法についてお話ししましたが、 今回は特に銘柄選択の目的や営業利益の伸び率の見方について深掘りしていきます。

[目次]
・銘柄選択の目的
・営業利益と株価上昇の関連性
・営業利益の伸び率の見方
・まとめ


銘柄選択の目的

銘柄選択の主な目的は、期待リターンがプラスの銘柄を見つけることです。期待リターンは、以下の式のとおり算出されます。


市場平均を上回る「アルファ(超過収益)」をもたらす銘柄に投資することは、株式投資における重要な戦略です。日経平均などの指標と比較し、アルファを持つ銘柄を選び出すことが、成功へのカギとなります。
このアルファをどうやって獲得するのかは、銘柄選択の重要なポイントとなります。株価の伸びが市場平均を超える銘柄をどのように見つけるか、それが問われることになります。
株価はEPS(一株あたり利益)とPER(株価収益率)という二つの要素から計算されます。利益を示すEPSや、その人気度を反映するPERのいずれか、またはその両方が伸びる銘柄を選択することで、アルファの獲得が期待できるのです。

営業利益の重要性

利益と人気、これら二つの重要な要素のうち、ここでは特に利益の伸びに焦点を当てて解説します。
EPS(Earnings Per Share)とは純利益を発行済み株式で割った値を指します。しかし、純利益は一時的な損益によって大きく変動することがあります。工場が自然災害により大打撃を受ける、子会社を売却して一時的に利益を得るなど、特別損失や特別利益が発生すると純利益に影響します。これらは企業の通常のビジネスとは直接関係のない利益や損失です。
したがって、企業の中長期的な成長を追い求め、分析する際には、純利益や経常利益ではなく、本業の実力を示す営業利益の伸びに注目すべきです。
営業利益の伸びが株価の上昇とどのように関連しているかを具体的に示す事例を紹介します。TOPIX2000銘柄を対象に、営業利益の伸びだけを基準にスクリーニングを行い、月次でリバランスするという戦略を用いてみました。この戦略では、常に上位10%に入る約200社の銘柄を選出し、それらに対して機械的に投資を続けてみます。その結果、過去10年間(2012年10月から2022年10月)の投資実績を見てみると、この戦略を採用した場合、投資元本が4倍以上に増加したことが確認できます。この事例から、営業利益の伸びが銘柄の株価上昇と直接的に関連していることが伺えます。

営業利益の伸び率の見方

営業利益の伸び率を判断するには、どのような要素に着目すれば良いのでしょうか?
以下の3つのステップに沿って考えましょう。

1.過去の業績が安定的に成長しているか
2.直近の業績が急速に伸びているか
3.将来の業績成長に明確な理由があるか

まず1つ目のステップでは、過去3~5年間の営業利益の伸びを確認します。次に、直近の四半期の営業利益が前年同期の四半期に比べて大きく増加しているかを見ます。そして最後のステップでは、将来の業績成長に明確な理由があるかを確認します。この確認には、市場予測やアナリストによる評価などが役立つでしょう。
以上の過去・現在・未来という3つのステップを踏むことで、営業利益の伸びが期待できる銘柄を見極めることができます。


まとめ

銘柄選択の重要性とその具体的な手法についての理解を深めていただけたでしょうか?営業利益の伸びが株式投資における銘柄選択にどれほど重要であるか、その実例を通じてご覧いただいた通りです。
これから株式投資を始める方、銘柄選択について迷っている方は、まずは企業の営業利益に注目してみてください。

BLOG 一覧に戻る